エムスリーってどんな会社?
港区赤坂に本社がある医療に特化したIT企業で、医師や看護師、薬剤師など医療従事者を対象にした医療ポータルサイト「m3.com」を運営している企業です。
2000年にソネットの出資で設立され(よって、ソニーの関連会社でもある)、次項以降で説明する特許を取得した自社独自のビジネスモデルで急成長しています。その成長ぶりは世界的にも評価されており、2017年にはアメリカの雑誌フォーブスより、世界で最も革新的な成長企業ランキングにおいて、世界5位(日本1位)に選出されました。
引用元のフォーブスの記事: https://forbesjapan.com/articles/detail/16300
なぜオススメしているのか?
エムスリーは、認知度が圧倒的に低い会社です。それにも関わらず時価総額は高く、設立して20年くらい経過していますが、全く衰えるところを見せていません。
急成長を続けていて、現時点(2020年6月15日)で時価総額が約3兆131億円で国内43位の大企業です。ちなみに42位は三菱電機、44位はキヤノン、45位は三井物産、46位は資生堂です。就活生にとっては特におなじみの三井物産や資生堂よりも企業規模が大きいのです。しかし、医療従事者や意識高い系の起業家の方々は全員知っているのに、世間一般の方々には全く知られていない。それゆえ、新卒採用における競争倍率が圧倒的に低いことが、私がオススメしたい最大のポイントです。
もうひとつの理由は、今回の新型コロナウイルスの影響を追い風としているためです。緊急事態宣言下で外出自粛が要請されたため、製薬会社のMRさんが医師に出向く営業活動ができなくなりました。それでMRさんも医師も頼りになるのが、同社が運営する「m3.com」です。製薬メーカーがこのサイトに医薬品情報を掲載するなどして営業活動を行うため、ここから派生する掲載料や手数料からの売上げが増えています。
2000年の設立から1度も減収減益をしたことがないことに加えて、新型コロナウイルスの影響を追い風にして、さらに成長し続けていることも、当マガジンがオススメしている理由です。
エムスリーの魅力的なところ
最大の魅力は、特許を取得できたほどの独自性の強いビジネスモデルで圧倒的に成功していることです。
創業者の谷村格さんはマッキンゼーに在籍していたとき、製薬会社のマーケティング手法に疑問を持っていました。製薬会社のMRさんの営業活動は非効率的すぎると。
ここで立てた仮説を検証するためにエムスリーを創業しました。
どんなビジネスでも当てはまりますが、最も稼ぎやすいビジネスは「今まで面倒だった仕事を簡素にする」ビジネスです。
製薬会社のマーケティング戦略はMRさんを増やし、医師との接触頻度を増やし、売上を増やすというのが一般的です。しかし、ここで問題になるのが医師への営業コストです。コストとは金額だけではなく、時間も含まれます。医師と数分の面談をするために、何時間も病院で待つということが日常茶飯事です。ここで「インターネットを使えば、お金も時間もカットできる」と、谷村さんは考えたのです。
具体的にインターネットで何をやっているのか?医療について、非常に役立つ情報をたくさん掲載しているのですが、最もわかりやすい事例を説明します。
製薬会社は自社の薬品とMRさん一人一人の自己紹介文を「m3.com」に載せます。それで医師は「m3.com」を通じて来たダイレクトメールに対応したり、「m3.com」を見て興味を持った薬品を担当するMRさんに直接連絡をすることができます。
ここがすごい。何がすごい?コストパフォーマンスが良すぎるのです。
MRさんが1回訪問するためにかかる費用は平均1万円と言われています。しかし、「m3.com」を通じて医師に対してメール送信して見てもらうための費用は平均300円です。このコストパフォーマンスの良さが「m3.com」の最大の価値です。
それだけでは一発屋で終わり、他社にマネされます。これを防止するために特許を取得したわけですが、令和の今でも売上げを増え続けている理由は、「m3.com」のクオリティを上げていることです。
医学業界や製薬業界の最新ニュースのような高付加価値コンテンツをアップロードし続けていること。それに伴って、日本の医師の9割以上(約28万人)が会員になっているネットワークの強さを持っています。このネットワークを頼って、世界中の製薬会社や医療に関する会社が「m3.com」に情報掲載を依頼するのです。この掲載料が非常に高い。最低で1億円と言われている掲載料ですが、それに見合った効果が十分に期待できるため、企業は競って「m3.com」に情報掲載を依頼しています。よって、売上が増え続けているのです。
今後について述べますと、「m3.com」を日本だけではなく、中国やアメリカにも進出し、シェアを獲得する活動を行っています。強力な競合がいないため、世界規模で成長することが期待できます。2つの新事業にも注目です。医師の転職支援事業と治験の事業です。
働き方や福利厚生は?
創業者で社長がマッキンゼーに在籍していたため、外資系コンサル企業の雰囲気がそのまま社風になっています。よって、完全な実力主義で成果主義の会社です。しかし、社長自らが一般社員と一緒にクライアント企業へ外出したりするほど、社内の風通しは良く、役員や管理職の方々に意見や考えを言える雰囲気があります。
IT企業は総じて残業が多めなのですが、この会社も割合多め(約50時間)です。しかし、実力主義ゆえダラダラ仕事ができないため、社会人として非常に濃密な経験を積めます。
外資系コンサル企業の雰囲気が強いため、日本の優良ホワイト企業にあるような福利厚生を期待してはいけません。しかし、社員が自信の実力を発揮し成果を出せるようなサポートは手厚い。特に女性に対しては産休、育休、時短勤務を不満なく取得できる仕組みができています。
どんなタイプの就活生だと活躍できそうか?
論理的な思考能力が試される「地頭の良さ」が強く求められます。この論理的思考能力が高いレベルでできる学生がエムスリーで活躍できますと思われます。よって、「地頭の良さ」とか論理的思考能力とかを要請されやすい理学部(特に数学科と物理学科)の学生は最適でしょう。さらに、医療を扱うIT企業ですので、「ITの力で医療の進歩に貢献したい」「医療で世界中の人たちに貢献したい」という志を持っている学生には特に絶好の企業です。
まとめ
エムスリーについてまとめてみました。3兆円を超える時価総額がありながら、就活生の人気企業ランキングに全く現れない、というマニアック性を持つ最有力企業です。よって、新卒採用において、競争倍率の低い有力企業であります。新型コロナウイルスの影響を追い風にして、これからも日本はもちろんのこと、世界中に事業を広げているため、ますます成長することは間違いありません。この記事を読みまして興味を持った方は是非、エムスリーの選考を受けてみましょう。
エムスリー株式会社のウェブサイト: https://corporate.m3.com/