平均勤続年数と聞いて、皆さんはどう言った事を思い浮かべますか?勤続年数の長さによって良いイメージだったりそうでなかったりと、その思いは様々かと思います。という事で今回は、その疑問を解消すべく「平均勤続年数」について、兵頭さんにお聞きしました!
<聞き手:合説どっとこむマガジン副編集長 古江健二>
平均勤続年数とは
古江 本日は「会社の数字はここを見ろ」第5弾ということで、「平均勤続年数」について話を伺っていきます。よろしくお願いします。

兵頭さん よろしくお願いします。それでは、事例を見ながら紹介していきたいと思います。今、大手就活サイトからデータを見ているのですが、この数字を聞いて古江さんはどう思いますか?パナソニックさんの平均勤続年数が23.1年。ニトリさんの平均勤続年数が8.1年。
古江 ええ?そんなに違うんですか?パナソニックさんは大企業だからそのぶん長く勤める方が多いんですかね?それぞれの会社さんの規模はよくわかってないですけど(汗)
兵頭さん そうすると、ニトリさんに勤めた人は15年も続かないように捉えますね?
古江 そうですね、ニトリさんは社員の入れ替わりが激しいのかなあと。
兵頭さん では、別の例で考えましょう。あるベンチャー企業は創業13年。ここ数年、何人か新しい人を採用していますが、そこから誰もやめてなかったとしたら平均勤続年数は何年になるでしょう?
古江 ええと・・・・?13年でしょうか?
兵頭さん 違うんです。というのも1年前に採用した方なんかは勤続年数が1年になります。なので、社員全員の平均をとると3年くらいになってしまうんですよ。
古江 ええ!?あ、そうか。なるほど、そうですね!
兵頭さん 平均勤続年数についてはほとんどの方が誤解していると思います。これは、入社してから辞めるまでの年数ではなく、あくまで今いる人が何年在籍しているかの年数なんですよ。
古江 なるほどなるほど!
兵頭さん つまり、平均勤続年数は退職率を表す数字ではないんですよ。ニトリさんが平均勤続年数が低いのは、恐らく店舗拡大して若い人を沢山採用しているからなんです。したがって、平均勤続年数が短いというのは決してネガティブな数字では無い。
平均勤続年数は参考にならない
古江 ふーむ、そうすると、平均勤続年数はどのように見ればいいんでしょうか?
兵頭さん セミナーで学生さんにいつも言うのは、「平均勤続年数というデータは無視しろ 」です。

古江 え、、、えええええ!?「会社の数字はここを見ろ」っていう企画なのに、今回の結論は「無視しろ」になるんですね!!!笑
平均勤続年数が短い理由は3つ
古江 この情報はいつ頃から載るようになったんでしょうか?
兵頭さん 昔からありますよ。
古江 うーむ、一体誰が得する情報なんでしょうか?
兵頭さん 誰も得しないんじゃ無いでしょうかね?まあ、パナソニックさんや、その年数が長い会社さんは見た感じの印象が良くなりますから得するかもしれませんが。
古江 いや、この数字って載せない方がいいんじゃないでしょうか?
兵頭さん そうですね、 学生さんが見ても混乱するだけだと思います。平均勤続年数が数値が低いとしたらその理由は3つあって、「離職率が高い」or「会社が拡大している」or「会社の歴史が短い」です。

古江 考えることが大事ですね。
兵頭さん そうですね。会社を比較する際にもろもろの数字を比較するのは大事ですが、これに関しては同業は同じような数字が出てきます。パナソニックさんとシャープさんで23年と22年だったり、これは誤差。なんの参考にもなりません。
古江 何も知らないと平均勤続年数が長いと安定していると考えがちですからね。
兵頭さん そういう考えの学生が多いと思います。なので、これもまた、 企業選びのミスマッチ要因の1つになっているかもしれません。
セミナーで話せない内容まで網羅できるコラム
古江 この話も合説どっとこむのセミナーで伺えるんですね?
兵頭さん いや、ここまでセミナーで話すことは滅多にないですね。細かすぎるんで。1〜2時間のセミナーでは触れないですよ。
古江 おおっと。そうすると、学生の皆さんはこのコラムシリーズをしっかり読んでくださいということですね。
兵頭さん そうですね。このコラムのシリーズには普段セミナーで触れられないような細かな情報も入っているので、是非読み込んでいただければと思います。
古江 それでは、本日は平均勤続年数についてお聞きしました、ありがとうございました。

ここまで幾つかの数字の意味を伺ってきましたが、まさかこんな結末になるなんて…。その衝撃たるや、まるでバ○ェラージャパンのような今回の平均勤続年数編。コラムには、ここでは聞けなかった内容も多数記載されているので、是非覗いてみて下さい!
