面接時に有効なテクニックってあったりするのか?そう考えた就活生は大勢いるのではないかと思います。そこで今回は、面接に使える「メラビアンの法則」について、面接の神!兵頭秀一さんを直撃しました!
<聞き手:合説どっとこむマガジン副編集長 古江健二>

古江 早速ですが、兵頭さんは面接の時、学生のどこを見てますか?
兵頭さん 短時間で言えば、「オーラ」ですよね。
古江 オーラ??(スピリチュアルな話??)そうなると一発目の印象で決まってしまうと??
兵頭さん 一発目で決まるのは、バツの場合だけです。合格は一発じゃ決まらないですけど、合格は一発で決まります。
古江 何かこう、暗いオーラが出てると?
兵頭さん 目が死んでるとか人の目が見れないとか、声が小さいとかね。
古江 ほぉ〜
兵頭さん バツの理由って1つあれば良いんですよ。合コンして目の前に5人くらい女性がいたらバツって子は瞬時に決まりますけど、結婚するってことは瞬時に決めることは出来ないと思うんです。マルの理由は何個も必要だから時間がかかりますが、バツの理由は1つで良いから瞬時に決まると。だから一発で決まるわけですね。

兵頭さん 例えば古江さんに彼女紹介するよって言って、今来てるよでドア開けた瞬間、志村けんさんが演じていたひとみ婆さんのようなだったら瞬時にバツでしょう?笑
古江 はい笑
兵頭さん 瞬間的に、1秒でバツでしょ?
古江 すぐ扉閉めますね。
兵頭さん だからバツは瞬間的に決まるわけです。
イケメンや美女は面接で有利なのか?
古江 ちょっと気になることがあるんですが、面接時にイケメンですとか美女はやっぱり有利になるんでしょうか?
兵頭さん 有利にはなるでしょうけど、好材料の1つに過ぎないですね。合格するかどうかは話してみたり色んな要素があるので、決してイケメンだから、美女だからというだけで合格する事はありません。
古江 なるほど

面接官は恋愛感情持って面接したりするんですか?
古江 ちょっと踏み込んだ話聞いてみたいんですけど、過去の面接で、ちょっと足りない部分もあるけど、好みだから採用しちゃおうって方はいたんですか?
兵頭さん あーまぁ、恋愛感情的な事は自分の収穫にはならないので、それが反映される事はなかったです。昔こんな事があって、自分の部署(人事部)で募集をかけてて、そこにめちゃめちゃ美人な女の子から履歴書が届いたんですよ。で、学歴とか経歴とかも良かったんで、これはもう採用間違いないなと思って、実際入社してっていう事が1回だけありましたね。超美人なんですよ。
ただし私は合格を予想して面接を通しただけで、最終面接をして採用を決めたのは上司でしたから私の一存で入社させたわけじゃないですけどね。

兵頭さん イケメンとか美人ってどうしても有利なんだよね。ていうのはありますけど、自分自身の恋愛感情で選考に反映した事はないですね。
面接で使える戦略ってありますか?
古江 例えばなんですけど、見た目とかをカバー出来る戦略ってありますか?
兵頭さん ネガティブファクターを消しましょうって事ですかね。

古江 ネガティブファクター??
兵頭さん つまりマイナス要因。目が死んでる、声が小さい、よく言うおでこが隠れた髪型とか。頼りなさそうに見える、自信なさそうに見える要素を潰すに尽きますかね。ポジティブファクターを取り繕う事はなかなか出来ないので。やっぱり目が輝いているのは志を持ってる人ですし、志も無いのに良い目はなかなか出来ないので。ポジティブファクターを取り繕わないで、ネガティブファクターを消しましょうと言う事ですね。それが大事だと。それで勝率が大分変わるので。
面接に向けて、知って得するメランビンの法則とは?
古江 僕の聞いた所によると、「メラビアンの法則」と呼ばれる心理学があるらしいんですけど、これについて教えて頂けますか?
兵頭さん はい。メラビアンさんと言う心理学者の学説なんですね。人が人を対話で評価するウェイトは、「見た目が55%、声が38%、話の内容が7%」と言う学説です。で、学生には良くこんな例えで話すんですよ。プロレスラーの蝶野正洋さんいますね?

古江 はい。
兵頭さん 蝶野さんがこの場に立って「おはよう!」って言ったら、怖そうって思いますよね。それは「おはよう」と言うセリフの評価じゃないですよね。
古江 見た目?
兵頭さん 見た目と声でしょ?
古江 はい。
兵頭さん あの高い身長、髭面、サングラス、ドスの効いた声が、もう怖そうと思う理由のほぼ全て。と言う事がね、1つのわかりやすい例なんですよね。見た目と声で93%。話の内容は7%。

兵頭さん ところが就活面接対策というと、みんな考える事は台本を書く事なんですね。無駄じゃないんだけど、7%の効果しかないよと。見た目と声の準備は何もしないわけですね。見た目と声の準備をどうするかというと、面接練習、あるいはスピーチの練習を録画して自分で見てみるしかないと。
古江 なるほど。
兵頭さん で、それをやる習慣は一般的には無い。僕らの頃は映像を撮る事もなかったし、環境的にはカメラもビデオカメラもあったわけじゃないから。
古江 そうですね、昔は特に。
兵頭さん 今は誰でもスマホで撮れるので、是非それをやってみましょうという事ですね。

兵頭さん 見た目が55%なので、見た目のクオリティーを検証するには、自分で収録した映像を音声を消して再生するとわかるんですよ。音声を消して再生して自分の姿を見ると、その55%のウェイトについての出来栄えは多分自分自身でも感じると思うんですよね。これ人に見せられない恥ずかしいレベルであるだとか。なのでそれをまず第一段階で自分の喋ってる姿を録画して、音声を消して再生する。で、次に音声を聞いてみる。そして、内容にこだわるなら自分の喋った事をまんま書いてみる。これでアプローチ出来るわけですね。
兵頭さん でこれはね、もう1つ例えると歌と一緒。
古江 (まだ出てくるんですね)
兵頭さん でしょう?古江さんもやってきた歌。大事なのは歌詞じゃないですよね?
古江 ?!
兵頭さん 古江さんが作詞作曲したやつを福山雅治さんが歌えばヒットしますよ(笑)
古江 あ、それは間違いないです!
兵頭さん で、福山雅治さんが作詞作曲したやつを古江さんが歌ってもヒットしませんよ。
古江 ??!
兵頭さん そういう事です(笑)

古江 …。
兵頭さん これで大体説明出来るんじゃないかなと。
古江 凄いしっくり来ますね…。
兵頭さん だから詩を書くんじゃなくて、カラオケボックス行けみたいな話ですよね。
古江 凄い納得出来ましたけど、それでも言語が7%って、本当にそんなもんしかないんでしょうか?
兵頭さん 7%も無くないですか?だって福山雅治さんが作った曲を古江さんが歌ったって7%も売れないよ?(笑)

古江 (もうちょっとフォローが欲しかったですけど。)
古江 そういう事なんですね。じゃあこの割合というのは、理論的にも実践的に見ても実証されていると。
兵頭さん はい。
古江 歌詞より歌だと。

兵頭さん 作詞家になるなと。歌手になれと。だからね、うちでやってる面接力養成就活講座の模擬面接でね、演劇部の人って上手な人が多いんですよ。演劇部って他人が書いた台本を自分なりに見た目と声で表現して、人の感情を揺さぶるっていう訓練を日夜してるものじゃないですか。だから演劇部の人が面接上手い人が多いっていうのは、一つ面白いエピソードかもしれませんね。これを証明する。
古江 そうすると、面接もちょっとしたエンターテイメントかもしれませんね。
兵頭さん 演技力があれば成立しちゃいます。中身の無いあなたを、演技力だけで合格に持って行く事は可能です。ただそんな演技力普通は持って無いので無理ですけどね。
古江 なるほどわかりました!という事で今回は、メラビアンの法則を教えて頂きました。また次回も宜しくお願い致します!
多くの就活生は面接の内容に注目しがちですが、それ以上に見た目がモノを言うんだという事を今回のメラビアンの法則から教わりました。同じ言葉でも、誰が伝えるかで全く違う印象になるのはごもっとも。初デートに気合いを入れるように、お互いが初対面だからこその気遣いは面接でも同じ事だと肝に銘じながら、就活に取り組んで行きたいですね!
