「好きなことで生きていく」というワードに踊らされて、自分を見失いかけた過去を持つ古江です。本当に自分に適した職を見つけるにはどうすれば良いのか?面接の神、兵頭秀一さんにお聞きしました。
<聞き手:合説どっとこむマガジン副編集長 古江健二>
憧れは強いモチベーション
古江 それでは今回は自分に向いている職業の見つけ方ということで話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
古江 学生さんの中には「自分がどんな職業に向いてるんだろう」とか「何がしたいんだろう」とか方向性がわからなくなる方がいらっしゃると思うんですよ。僕も正直聞かれたら回答に困ってしまうんですが、こういう人はどうしたらいいのかを教えてください。
兵頭さん はい、はい。そういう方多いですね。逆に言えば、スムーズにやりたい仕事を見つけられている人を想像してみるんですよ。

古江 ふむふむ。それはどうしたらいいんでしょう。
兵頭さん それは「あの人のようになりたい」、「この仕事がしたい」、という憧れ像を見つけることです。これは、強いモチベーションとして機能します。
古江 ほお、憧れだけでいいんですか?
兵頭さん 古江さんはミュージシャンを目指してましたよね?それってそういうことだったんじゃないですか?
古江 (え!?質問がこっちに飛んできた・・・。)は、、、、はい、そうですね。ミスチルが憧れで、ミスチルぐらいバカ売れしたいと思って目指してましたね(汗)
兵頭さん そういうことですよね。その憧れ像が大事になります。これが見つかると一番いいですね。
古江 確かに憧れは強いパワーを生みますね。(ミスチルにはなれなかったなあ・・・。)
天職とは・・・
兵頭さん ただ、憧れの対象が見つけられない人って必ずいると思うんですよ。
古江 そうですね。僕も学生の頃仕事で憧れというのがあったかどうか怪しいです。
兵頭さん 自分に適した仕事の見つけ方のもう1つは、憧れ像がなくても大丈夫です。僕がすごく好きな言葉で、「就いた仕事が天職である」というのがあるんですよ。三ツ星レストランの寿司職人である小野二郎さんがTVで言っていたんですけど。

古江 ほお?といいますと?
兵頭さん たまたま縁があって、「お前そこに仕事があるから行ってこい」みたいな感じで就いた仕事。それが天職になる。こういうことです。これって実際に沢山あるんですよ。
古江 えええ?そうなんですか?
兵頭さん そうです。そもそも就活して採用されたら、その仕事で力を発揮する可能性が認められた証です。なので、憧れからじゃなくても、努力次第でその仕事を天職にすることができるんです。
古江 はあー、なるほど。そういう考え方があるんですね。
石の上にも5年
兵頭さん 「自分はこの仕事に向いているな」という手応えを伴うプロ意識は5年やらないと答えが出ないと思います。

古江 ほお!石の上にも3年と言いますけど、5年ということですね。
兵頭さん これは別の説なんですけど、確かアメリカで出版された本で「天才」というものがあるんですよ。音楽でもスポーツでも天才と言われた人は1万時間努力したと。会社って1日8時間働くとすると、年間2,000時間。5年で1万時間なんですよね。
古江 ほおほおほお。そうすると5年というのはぴったりですね。
兵頭さん そうなんです。実際そうやってプロになった人って非常に多いと思うんですよ。
そうはいっても具体的に何をすればよい?
兵頭さん ただ、こんな抽象的な話だけでは読者の期待には応えられないと思うので、自己分析から考える適職の見つけ方を紹介したいと思います。
古江 そうですね。具体的な話も頂けると非常にありがたいです!
兵頭さん まず自己分析の方法は、合説どっとこむで提供している『自己分析セミナー』でやっています。これは、どこよりも短時間でどこよりも的確な職業適性診断をやっています。


古江 おお!いきなり宣伝から入りましたね!
兵頭さん ここでやる自己分析には3つの切り口があります。
兵頭さん 1つは性格分析。これは、エニアグラムという性格分析手法を使っています。どんなものかというと、この世には9つの性格パターンがあるとしていて、その9つで、向いている職業適性というのがはっきりわかります。

古江 ほーーー。
兵頭さん 実体験からも、エニアグラム分析はかなり精度が高いです。そして、2つ目は、リーダータイプか、マネジメントタイプかの分析です。
自分のタイプと会社の平均年齢が意外に大事
古江 ほう?なんだかどちらも同じものに思えてしまうんですけど違うんですか?
兵頭さん リーダータイプは人の心を掴むのが上手いんですよ。それに対してマネジメントタイプは、数字の目標を理詰めで期日内に達成するのが上手いです。このタイプは、人の心は関係ないドライな部分を持っています。マネジメントタイプは上司と相性がよくて、部下とはよくないです。リーダータイプはその逆です。
古江 おお、確かに。言われてみればチームの上に立つ人にはその2種類の人がいる気がしますね。
兵頭さん この分析をすると、上司と働きたいか?部下と働きたいか?という分析ができます。ここを間違えると結構ストレスになりますよ。部下を持って輝く人が、上司ばかりの環境で30歳まで過ごすとストレスなんですよね。その逆もしかりです。
古江 なるほど、初めて聞きました!

兵頭さん これを会社選びで使うには、社員の平均年齢が必要になります。
古江 平均年齢?どうしてですか?
兵頭さん 歴史のある大企業だと平均年齢が40歳くらいになので、30歳の人からすると、まだ先輩が多い状況ですよね。ベンチャー企業のような会社だと平均年齢が30歳以下のところも多いので、すぐに部下を持てる可能性が高いんですよ。なので、自分の適性と社員の平均年齢を見て会社を選びましょうということです。
古江 ふーむ、なるほど!
平均年齢と聞いてパッと思いつくのは、その会社の総従業員数の平均年齢。高ければ高齢の方が、低ければ若めの方が多いんだろうなぐらいに思ってた私、古江です。が、そんな単純な事だけではなかったご様子。平均年齢に隠された意味とは一体何なの[…]
面接力は学力ではない!
兵頭さん そして最後の1つ。これは、ずばり面接力です。その人の面接スキルならどのレベルの会社に入れそうか、そこから会社を絞るものです。合説どっとこむが提供している面接力養成講座では、面接に点数を付けて、あなたは何点でしたとフィードバックするセミナーを実施しています。


古江 自分の面接力が数値化されてしまうんですね!?それは興味があります!
兵頭 採点のポイントは5つです。概念知能(頭の良さ)、人間知能(人間愛)、完遂能力(成し遂げる力、エネルギー)、明朗さ(ポジティブシンキング)、志望度(やる気)です。
古江 ふむふむ、就職における優秀さって頭の良さだけではないんですね!それなら少し自信が湧いてきました!
兵頭さん これを25点満点でやります。その点数でどの会社に行けるかわかるんですよ。難関企業は20点以上ないとダメとか。そして、自分の足りないところがわかるので、どのように伸ばしたらよいかがそのセミナーでわかります。
古江 なるほど。
意志にあるところに道はひらける
兵頭さん これで自己分析が終わって、ただ、そこで起きる問題があります。「向いている仕事」と「やりたい仕事」が違うという問題です。どっちを取るべきだと思いますか?
古江 自分のやりたい方ですかね?
兵頭さん そう、正解です!さすがロマンチスト!
古江 ありがとうございます!

兵頭さん 僕が言いたいのは、このような場合は「やりたい方」を選んでください。やっぱり、人生を切り開いていくにあたって意志に勝るものはないですからね。
古江 そうですよね!わかります!それでは、今回はいろいろ盛沢山でしたが、改めて、学生に向けて、自分が向いている仕事に就くには何をするべきでしょうか?
兵頭さん 一番は、何をやりたいか、志を明確にすることです。そして、もし何をやりたいかが明確に出来なくても、就いた仕事が天職になるので、とにかく就いた仕事で頑張ることです。
古江 はい、ということで、今回は自分に向いている職業とはをテーマに話を伺いました、ありがとうございました。
