面接官歴2日目でもプロとして座らなきゃいけない。出世の仕組みから見えた面接官にベテランがいない理由とは?

面接官がどうも神々しく見えてビビってしまう…。古江(ふるえ)だけに震えてしまう。…、そんな事はさておき。
今回は、面接官は百戦錬磨だと思うのは勘違いなのか?面接の神 兵頭秀一さんに聞いてみた

<聞き手:合説どっとこむマガジン副編集長 古江健二>

 

今回も宜しくお願いします!

 

人事はキャリアの寄り道に過ぎない

 

古江 本日のテーマは面接官は面接の百戦錬磨なのかでございます。まず、面接のプロのような人は存在するのかをお伺いしたいと思います。

兵頭さん ほとんどいないと思います。

古江 ほお〜〜

兵頭さん なぜかというと、新卒採用担当という仕事は一生やる仕事ではないからです。人事部の採用担当という仕事はキャリアの過程において出世のキャリアから3年間くらい寄り道するような部署なんです。

古江 ホォ〜〜ヘェ〜〜

兵頭さん 出世のためのキャリアは、お金を稼ぐこと。つまりは商品開発とか営業などがキャリアの軸になります。採用担当という仕事は稼ぐ仕事ではありませんし、会社業務の効率化や経費削減に貢献する仕事でもありません。一人だけ向いてる方向が違うんですよね。1年間ずっと学生に向けて仕事をするわけです。

古江 確かに

兵頭さん お客さんに向いて仕事するわけでもない。あんまり長くやると現場に戻って仕事する力がなくなってしまうんですよ。

 

神に転生された理由を知れた!

古江 会社の中でも定期的にグルグル人を回していく部署なんですかね?人事というのは。

兵頭さん 僕みたいに3回も転職して4つの会社で面接官をやるとそれはそれで深みが出てくるんですけど、一つの会社で採用担当を10年、20年やっていても大きく成長することはできません。そんなに学びは多くないです。

古江 そうなんですか!?

兵頭さん 構造的に何年も続けるのは難しい部署なんですよね。

古江 (出世できないんじゃ僕は新卒採用担当やりたくないなぁ)

 

人事配属二日目からはプロの面接官

兵頭さん 学生さんが就活していく中で若い採用担当の方と出会うと思います。それこそ新卒一年目の面接官もたくさんいます。そういう人たちが面接官として成熟しているかと言えば、決してそんなことはないわけです。

僕も一年目、二年目の時は同じようにど素人ながら面接や会社説明会をしてました。

新卒採用担当の平均任期は二年か三年くらいだと思いますよ、統計があるわけではありませんが。この仕事5年やってますみたいな人はあまりいないと思います。

古江 その二、三年間のうちに面接官の練習というか研修みたいなのって積むんですか?

兵頭さん 練習とかあまりないです。例えば、新人の採用担当が配属されてくると、丸一日私の横で面接を付き合ってもらいます。一日が終わって誰を採用するか、誰を見送るかを相談します。ここで大体一致する場合が多いです。そして「この調子で明日から頑張れ!」と背中を押して配属2日目から独り立ちさせます(笑)

 

神様の審判は驚く程早く、そしてドライだった!

古江 雑っ!!!!

兵頭さん 僕自身もこうやって面接官キャリアがスタートしましたし、ほとんどの面接官の教育ってこんなもんです。この仕事に明確な教育体系って実はないですんですよ。だから初めて新卒採用担当になった時は前任者から実務の引継ぎされて終わりだったので、会社説明会とかどうやってやればいいのか右も左も分からずでしたよ!

今思えばなんて適当だったんだ!ってびっくりしますよね。

 

なんてポーズだ…。

古江 相当なメンタルっすね!

兵頭さん どこでも同じような感じだと思いますよ。

 

面接官は人間観察の神様なんかじゃない

古江 私からすると面接官ってめちゃくちゃ神様みたいな存在だと思ってたんですけど、今の話を聞くと全然そんなことないですね。

兵頭さん そうなんですよ。人間観察の神様なんじゃないかって思われるかもしれないんですけど、全然そんなことないんですよ。

ただ、そうは言っても面接の素人でもこのあいだの2:6:2の法則の話でも出てきたように上位二割と下位二割を見極めるのはそこまで大変じゃないんです。はっきりしてるから。

だからこの仕事はある程度素人の新卒二年目三年目がやっても成り立つ んです。

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ここから奥が深いのが10人中3位から8位までの順位付けを論理的な理由を持ってできるかなんですね。そういうことがきちんとできる面接官はなかなかいません。非常に難しいですし。

 

順番の理由付けって、確かに難しい…

企業文化に共感できているか見分ける

古江 面接のプロみたいな人を外部に依頼するケースはないんですか?

兵頭さん 新卒採用に関してはないですね。新卒採用で最も大切なのは会社の理念や文化に対しての理解と共感が大事になります。外部の人がそれを全て担えるかというとまた難しい問題になりますから、面接官を外部の専門家に依頼するケースはないと思います。

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古江 カルチャーが染み付いている社内の人が面接する方が、同じ匂いを嗅ぎ分けられていいってことなんですね!

兵頭さん そうですね。今日一番言いたいことは面接官の大半は面接のプロではありません 。中には配属2日目の人もいるかもしれません。決してビビることはありません。

古江 ありがとうございます!僕も明日から面接官にビビらずに面接行きたいと思います!!!!!!!!

 

ありがとうございました!

 

 

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