ポジティブな赤字が存在する
古江 本日は会社の数字はここを見ろシリーズで「赤字の会社について」お話を伺います。赤字って聞くとマイナスイメージなんですけれど、違うんでしょうか?
兵頭さん やはりそう思いますよね。もし、同じ事業内容の会社があって、会社の数字を見てどちらか選ぶ場合、古江さんだったら何を見て選びますか?
古江 そうですね。やっぱり赤字か黒字かは大事ですね。
兵頭さん 売り上げより大事なんですね。3年前はどうだったかなどは気にしますか?

古江 以前の私なら単年度しか見ませんが、このシリーズの話を聞いてからは3年分くらい見るべきだと認識を改めました!
兵頭さん さすが、古江さんも会社の知識を蓄えていますね!経営数字は都合の悪い年度は載せないので、そこは注意でしたね。
古江 ありがとうございます!そうですね。それで、赤字か黒字かという見方は違うのでしょうか?
兵頭さん 違いますね。というのも、赤字には大きく分けて2種類あります。1つは構造的な赤字。もう1つは、先行投資を含む一過性の赤字です。
古江 ふむふむ。
将来ジャンプするための赤字
兵頭さん 構造的な赤字というのは、営業利益が出にくいビジネスモデルの結果生まれるものです。そのビジネスの時代が終わりかけている可能性もあります。蒸気機関車に対して新幹線が出てきたとかですね。もう1つの先行投資を含む一過性の赤字は、将来高くジャンプするための準備です。なので、とてもポジティブな赤字です。
古江 なるほど。
兵頭さん 先行投資をして4期連続赤字決算、しかし、翌年に株式上場という会社もありますからね。学生さんは、そこを注意して数字を見ればいいと思います。
古江 数字を見るのが難しいやつですね。わからなければ会社説明会や人事に聞いてみようっていうやつですね。
兵頭さん そうです、わからなければ人事の人に聞いてください。
赤字でも経営が成り立つ理由
古江 ちなみに、一時的にでも赤字の会社ってどうして経営が成り立つんでしょうか?
兵頭さん 赤字だと会社の貯金がなくなっていきます。なので、お金を出してくれる銀行や投資家と良好な関係が築けているかがポイントです。融資など受けることができれば、仮に商売が赤字でも経営していけます。
古江 赤字でもお金を貸してくれるんですね。
兵頭さん そうですね、信用があればそれが可能です。付き合いが浅くて信用が薄いとお金を貸してくれないかもしれませんね。
古江 どうすれば銀行から信用を得られるんでしょうか?

兵頭さん どんなに少額でも借りて返すことによって信用が積み上がっていきます。
古江 なるほど、会社経営は深いですね。
兵頭さん ただまあ、就活生の目線では見えないところですね。
古江 そうですね。けど、赤字の裏側がわかるのでとても参考になると思います。
赤字はお金持ちにつながる
兵頭さん そんなわけで、赤字でも問題ないということです。逆に、完全無借金経営は危険かもしれません。普段お金を借りずに信用がないと、今回のようにコロナで不況になった際に大変だと思います。

古江 私なんかは絶対に借金したくないですが、会社経営だと違うんですね。
兵頭さん そうです。ソフトバンクなんかは借金が多い企業ランキング5年連続で1位ですが、孫さんは日本有数の資産家ですからね。銀行といい付き合いができると恵まれた人生になります。
古江 なんと・・・。借金に対する認識が大きく変わりました。
兵頭さん 無借金で綺麗に生きたいと考えると人生が小さくなります。赤字はお金持ちへの第一歩かもしれません。
古江 これは、深い企業研究が必要ですね。見極めるには新聞とか雑誌がいいんでしょうか?
兵頭さん 新聞でもネットのニュースでもなんでもいいと思います。たくさんの事例を見ることと、数年分見ることが大事です。
古江 なるほど。本日は会社の数字はここを見ろ「赤字の会社について」話を伺いました。ありがとうございました。

