年収。就活をする上で、いや…、生きていく上で欠かすことの出来ない項目の一つ。当然会社選考の基準に入ると思うのですが、今回はその年収について兵頭さんにお伺いしました!

<聞き手:合説どっとこむマガジン副編集長 古江健二>

平均年収とは

古江 本日は会社の数字はここを見ろシリーズ第6弾ということで「平均年収」について話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

古江 年収の話は学生たちも気になるところだと思いますが、まず年収とはどういった数字のことを指しているんでしょうか?

兵頭さん  源泉徴収票の一番大きい金額のことですね。そこから税金や社会保険料などが発生するので実際の手取りはそれよりは少ない金額となります。

古江 なるほど。では、本日はその平均年収についてお話をよろしくお願いします!

兵頭さん 新卒で就職する方の目的の1つは人生における経済基盤の確立だと思うんですよ。将来は家庭を築いて、子供二人で4人家族で。そんなイメージをお持ちの方が多いですよね。4人家族が笑って暮らせる経済基盤、それが一つのイメージです。

古江 そうですね、そういう人は多いと思います

 

年収はいくらあると良いのか

兵頭さん 子供が幼稚園に行ってる時期が経済的に一番苦しい時期になりがちなんですが、この時に世帯年収が600万円、このくらいあればまあまあのゆとりを持って生活をすることができます。

古江 えええ?600万円ですか!?それって結構高くないですか?

兵頭さん 高めですね。日本のビジネスマンで年収が600万円を超える人は全体の2割、3割くらい?そんなものですよね。平均は440万円くらいですからね。

古江 ですよね!家庭を持つハードルの高さに今テンションがだいぶ下がってしまいました・・・。

兵頭さん 独身であれば時給1,500円くらい、年収300万円くらいのアルバイトや派遣社員でも十分に生活することはできますよね。

古江 はい、それは身をもって実感しています!

兵頭さん  男性目線の話になってしまいますが、私が30歳代のころの事例です。専業主婦の妻と幼稚園児が二人を含む子供3人、東京近郊に3LDKのマンション住まい、車持って、休日には遊園地や旅行に行って、外食もたまには。こんな生活をムリなくできるのが年収600万円にたどり着いた時だったのです。

古江 そうなんですね・・・・。

兵頭さん 子供3人だとマクドナルドに行っても3,000円くらいかかってしまいますからね。回転寿司に行ったらよりえらいことになりますよ。

古江 確かに。考えると苦しくなってきました・・・・。

 

平均年収は調べればわかるがそこにはカラクリが

兵頭さん この数字を知った上で人生設計を立てて就活を進めている学生は少ないでしょうね。

古江 平均年収は何を見ればわかるんでしょうか?

兵頭さん  インターネットで検索すれば上場企業は開示されているところが多いですよ。

古江 ちなみに、月収で情報が出ている会社をよく見るのですが、なぜ月収なんでしょうか?

兵頭さん そこには企業の巧妙さが伺えるカラクリが2つほど隠されてるんですよ。

 

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さすが、神様!

古江 出ました!ここにもカラクリがあるんですね!?どんなものがあるんでしょうか?

兵頭さん  その1は、初任給のカラクリ。年俸制の会社はそうでない会社に比べ初任給は高くなります。でも年収はそうでない会社と同じ立ったりするのです。

古江 え???それって完全に詐欺じゃ無いですか!?

 

要注意!年収が高く見えても現実は違うカラクリ

兵頭さん  月給20万円で年収240万円でも、そこにボーナスが60万円入れば年収300万円。年収300万円で年俸制の会社は12ヶ月で割ると月給25万円になります。

古江 なるほど、ボーナスもいれるわけですね。それなら詐欺にはなりませんね。

兵頭さん はい。ただ、 ボーナスって年度によって変動しますから月給と違って必ずしも安定したものでは無いんですよ。なので、間違いではないですが、気をつけたいポイントですね。

古江 なんだかずるいですね・・・。

兵頭さん カラクリその2。これは、最近多くなってきた「みなし残業制」です。新卒は初任給は22万円くらいが多いけど、そこに月残業30時間を含んで23万円になるという風に情報を出します。

兵頭さん 普通月給22万円なら、30時間残業すれば27万円くらいになります。23万円から計算すると残業無しの月給は18万円くらいになってしまいます。

古江 えええ?そんなに少なくなるんですね。

 

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みなし残業には気を付けなければ!

兵頭さん 「みなし残業制」は法律で認められているので全く問題はありません。ただし額面とにらめっこをした上で理解しておきましょう。

古江 なるほど、気をつけます。

兵頭さん あと、生涯賃金が実はそこまで高くないけど初任給が高いケースなど、いろいろありますね。

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古江 学生さんは額面だけじゃなくこういった知識と掛け合わせて会社選びをした方がいいですね。ちなみに業界によっても年収は違ってくると思うんですが、どのような業界だと年収は高いんでしょうか?

兵頭さん 業界によっての年収の高さは労働生産性に直結します。そこには3つの切り口がありますが、これは以前話しましたっけ?

古江 はい、労働生産性の話は以前伺いました!なので、その回参照ということですね。

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あなたが平均年収になるとは限らない

兵頭さん 最後にもう1つ、平均年収の話をしましたが、本当にあなたはその会社の平均年収になるんですか?という話です。

古江 え?それはどういうことでしょう?

兵頭さん もし平均年収が600万円の会社に行ったとしても、ざっくり半分の人は600万円より年収が低いわけですからね。平均年収が600万円の会社に入社できたからと言って安心ではないんです。

古江 なるほど、入ってからも頑張りましょうということですね。

 

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平均年収という言葉に安心は出来ませんね!

兵頭さん あと、年収と人数の構成がどうなっているかによって、平均年収が真ん中であるとは限りません。中央値を考える必要があります。

古江 中央値・・・・ですか?

兵頭さん そうです。平均値と中央値は違った数字なので気をつけてください。ただ、中央値のデータが出ている企業はなかなか無いと思うので、会社説明会で聞いてみると良いかもしれませんね。人事の人も把握しているかは微妙ですが。

古江 ええと、平均値と中央値の違いがよく分かりませんが、本日は時間になってしまったので、気になった方はインターネットで調べてみてください。

兵頭さん まあ結局、あなたが出世競争で勝てる会社であればあなたにとっていい会社なんです。平均年収に振り回され過ぎないようにしましょう。

古江 本日も盛り沢山のお話をいただきました。ありがとうございました。

 

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次回もお楽しみに!ありがとうございました!

 

 

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